『おばけのてんぷら』(2025年10月2日)

『おばけのてんぷら』(2025年10月2日)

せな けいこさん作・絵の『おばけのてんぷら』を知っていますか?

長男が小さかったころ、

保育園の貸出絵本で毎日毎日「コレにする」といって

もってくるのがこの本でした。

大事そうに自分の手さげに入れてもちかえり、

夕食後に「よんでー」と1回目。

お風呂のあとに「よんでー」と2回目。

寝る前に「よんで! よんで! 寝ないで! ねぇよんで!」

と、5回くらい読み聞かせたのを覚えています。

なにがそんなに心に響くのか、

そのときは聞く余裕もなく、ただただ仰せのままに。

「早く寝てくれ」と願うばかりでした。

***

先週のこと、書店の児童書コーナーを通ったとき

「おばけのてんぷら、すきだったなー」と長男。

え? 覚えてるの??

聞いてみると、すきなシーンをベラベラと語りだしました。

眠気まなこで読んでいた私にいたっては、

なんでおばけだっけ? メガネの話じゃなかった? というレベル……。

絵本のおもしろさ、わくわく感は、

ちゃんとこどもの心と脳に刻まれて、残っているんだなぁ。

と、絵本のすばらしさを改めて実感しました。

***

そうか〜、すごいなぁ〜。と感傷にふけっていると、

「これ、かう」と『おばけのてんぷら』をかかえた次男が。

え、見つけたの? 

図書館で借りれば? 

中古でもいいんじゃない?

という私の問いかけには一切答えず、

「かう」の一点張り。

はじめて見た本なのに、

「これ、ずっと、よみたかったんだよぉ」と

口をすぼめるすがたがかわいくて、購入しました。

『おばけのてんぷら』をひたすら読み続ける日々が

またはじまっています……。

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